
醸せ!クリエイター <1室目>
アイデアは
美味しくなる時を
待っている…

まめまめしく、
ねばりづよく、
思考をかもそう。


豆本納トは、
思考を発酵させることを目的とした
納豆型のメモ帳です。
考えに行き詰まった時、そんな時こそ発酵のチャンス!
悩んでいることを豆本納トに書き込んで、いったん冷蔵庫に寝かせましょう。
そして、ご本人もいったん寝ましょう(大事)。
朝、納豆を食べるかのごとく豆本納トを開くと、思考がいい感じに発酵し、美味しいアイデアに変わっているかも。

醸し職人の夜は遅い。
こんばんわ。タロヤムです。
本製品の企画とデザインをしてます。
これから何回か、様々なクリエイターさんの元にお伺いし、その仕事場やノート、メモやラフスケッチ、ダイアリーなど、その方独自のアイデアがぷぅ~んと醸されている室(むろ)の魅力を取材していきます!
※室は納豆の発酵をさせるスペースの名称
<1室目> 小玉文さん
小玉さんはアートディレクター・グラフィックデザイナーで、デザイン会社BULLET inc.(バレット)の代表。東京造形大学ではグラフィックデザイン専攻領域の准教授を務められています。

(納豆を意識した装い、とのこと)
1983年大阪生まれ。東京造形大学グラフィックデザイン専攻領域卒業。AWATSUJI designに7年在籍したのち、2013年株式会社BULLETを設立。ブランディング、ロゴ、パッケージなどのグラフィックデザイン全般を手がける一方、〈物質的な魅力〉を追求した制作表現にも取り組んでいる。特にパッケージに造詣が深く、著書に『パッケージデザインの入り口』がある。東京造形大学 准教授。おもな受賞歴に、One Show(gold)、Pentawards(platinum)、Cannes Lions、D&AD(graphite)、Red Dot、iF Design Award、グッドデザイン賞など。
今回取材をお願いしたところ、趣旨を一瞬で汲んでくれて快諾いただきました。
これは相当醸されたノートとかメモ類が見られるのかなと思ったのですが…

めっちゃきれー!!
そのまま美術館に展示できるのでは?という美しさでした。
これ、全然醸されてないですよね?
「この醸しがわからぬとは、浅はかな…(ニヤリ)」
醸し職人とか名乗っておいてごめんなさい。教えてください…。
小玉さんのラフやアイデアメモの活用方法は、アイデアを広げてはそこから絞り、そしてその絞ったアイデアを更にアップデートしていく、いらないものは捨てていくというスタイル。上の写真でも、切り取ったラフが貼り付けてあったりと、ちゃんとわかりやすく整理されたアイデアメモを残していくタイプだったのです。
洗練されたデザインを作る方は、ノートすらも洗練されていたのでした!!
「メモは、未来の自分に見せるために書いている。」
第一回目にして格言が飛び出ました。

(竹尾の封筒の裏に書かれたメモも。ライブ感が伝わります!)
また、アイデアメモやラフスケッチを活用した発想法についてはかなりしっかりとしたセオリーを持たれていました。
「描いた瞬間から、それ以上は深追いしない。一週間程度熟成させてから改めて見る。何もしていない期間に意義がある」
とのこと。また、絶対あり得ないアイデアやイメージでも、描いてから放っておくことでその可能性を探る余地を持たせるようにしているそうです。
なので、例えば直感的、瞬発的に「赤い」「丸い」「重なっている」などのメモやラフを残した上で、それらを具体的にどのように表現するのかは後で考えるそう。最終的に小玉さんは、シンプルで、強くて、わかりやすいデザインにしたいとのことでした。

(小玉さんの代表作品である、今代司酒造の日本酒「錦鯉」のパッケージデザイン。たしかにシンプルで強く、わかりやすいですね!)
小玉さんも「熟成させる」という概念を普段から持たれているのですね。
小玉さんといえば、デザイン業界において有名なのが年賀状へのこだわりです。毎年、どうやって印刷加工したの?と目が飛び出るほどのアイデアと加工技術が詰まった年賀状が送られてきます。

(小玉さんの年賀状を含めた作品の数々。尽きることのないアイデアに絶句。)
「年賀状は普段の仕事と違い、長期間悩めるのがいい。1年間かけてアイデアを熟成させることができる。クライアントワークが患者さんへの処方や手術だとしたら、年賀状はいつか必要になるかもしれない、未来の薬を創薬している感覚」とのこと。
我々毎年お正月に、いつか効く薬をもらっていたようです!!
これで終わりかと思いきや、小玉さんがコソコソと出しあぐねているノートがあるご様子。
ナウシカーこっちへ来なさいー
いや!ここにはなにもいないから、、いないったら、、
渡しなさいー、ナウシカー
出てきちゃだめ!ここにはなにもいないから!
えい!

そこには紅緋色に染まったLIFE社のノーブルノートが!
これが小玉さん、そしてデザイン会社BULLETのアイデアが詰まった秘密の源泉なのでは?とドキドキしながらお話を伺いました。
小玉さんは、人間誰しもが持つような、時間の経過による意識の変化に危機感を抱いているそうです。
自分の持つ幅広い興味関心の領域は時間と共に移り変わり、また好き嫌いも変容していく。なので自分が大切だと思っていたこともいつか忘れてしまうのでは、という危機感が常にある。
なので、その時々の自分が大切だと考えていることを、ノートに記して残す習慣があり、このノートこそがそれだというのです。
例えば、デザイナー駆け出しの頃に感じた
「色は無限にあるはずなのに、なぜパントーンから指定しなくてはいけないのか?」という疑問が、日々薄れていき、いつしかそれが普通と思うようになる。
昔思っていた疑問を忘れた時、自分はつまらない人間になってしまう。
そうなったら、自分は終わる。
自分の中のこだわりや疑問がなくなったら、、
発酵ではなく、腐って死ぬ!
そうなりたくないからこそ、このノートを残しているとのことです。
自分が今やばいな、と思ったらこのノートを見返しているとのこと。

(今回は特別に許可をとり、その一部の撮影させていただきました。)
全てはお見せできませんし、タロヤムも一部しか見せてもらっておりませんが、
このノートは、いうなれば納豆菌。
この思いがあるからこそ、普段、仕事や作品作りでアイデアを醸すことができる。小玉さんを小玉さんたらしめる、大変貴重なノートでした。
(事務所が火事になっても、このノートだけは持って逃げるそうです。ラーメン屋の秘伝のタレか!)
小玉さんのクリエイティブに対する、ロックンロールな姿勢を感じずにはいられない取材となりました。
最後に、企画やアイデア、考えに行き詰まって、にっちもさっちもいかなくなっているような、クリエイターを含めた万人にメッセージをもらいました。

小玉さん、ありがとうございました!
そして、お気軽にアイデアを発酵させたいというそこのあなたは、
ぜひ豆本納トを!

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